こんにちは、寝袋!です。
2019年秋、登山好きにはたまらない映画が公開されます。(されました)
その名は、『フリーソロ』
世界最高のフリーソロクライマー「アレックス・オノルド」が、「エル・キャピタン」という900mの垂直岸壁を登る様子を撮影した、ドキュメント映画です。
「アレックス・オノルドって誰?」
「そもそもフリーソロってなんのこと?」
「エル・キャピタンってどれくらいすごいの?」
という疑問に答えるために、調べてみました。
これであなたも、映画『フリーソロ』を観る準備はOKです。
目次
まずは「フリーソロ」というものについて
「フリーソロ」とは、ロープやギアを一切使わず、自分の体だけで岩壁を登るクライミングです。
つまり、なんらかの失敗で落ちてしまうと、死という結果が待っています。
同じくロープの確保がないクライミングという意味では、ボルダリングもあります。
しかしボルダリングは高さのない岩場を登るものですので、危険性は全く違います。
ロープの確保があると、落下した際にパートナーが止めてくれますので、宙ぶらりんになるだけである程度安心です。
フリーソロは、ワンミスが命取りという極限のチャレンジなのです。
フリーソロは、とても危険なチャレンジです。
同じ難易度の壁でも、命をかけて登るというのは、プレッシャーも違うでしょう。
ただし、フリーソロを行うクライマーが、すべての登山家の中で頂点というわけではありません。
例えば、酸素の薄い高所へ挑戦するアルパインクライミングとは、違う世界です。
比べられるものではありません。
アレックス・オノルドとは?
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah4.jpg)
公式HPより引用
さて、「フリーソロ」を行うクライマーで、史上最強の人間が、アレックス・オノルドです。
彼は、これまでの常識を打ち破る挑戦を、次々と成功させて世界を驚かせています。
過去最強のフリーソロクライマー
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah3.jpg)
公式HPより引用
彼の代表的な記録(すべてフリーソロ)を書き出してみます。
年 | 年齢 | 難易度 | |
2007 | 22 | ヨセミテ・アストロマン | 5.11d |
2008 | 23 | ザイオン・ムーンライトバットレス | 5.12d |
ヨセミテ・ハーフドーム・レギュラー | 5.12a | ||
2011 | 26 | ヨセミテ・フェニックス | 5.13a |
ヨセミテ・ヘブン | 5.12d | ||
2014 | 29 | センデロ・ルミノソ | 5.12d |
コスミック・デブリ | 5.13d | ||
2017 | 32 | エルキャピタン・フリーライダー | 5.12d |
ザイオン・ムーンライトバットレスの成功は、4月1日だったため、
「絶対エイプリルフールだろ?」
と、信じてもらえないくらいでした。
それほど別次元の成功だったそうです。
また、上の表の一番下、エルキャピタン・フリーライダーのフリーソロは、
「フリーソロ界の月面着陸」
と呼ばれる偉業です。
私のような素人にも、なんとなく凄さが伝わってくる例えです。
「世界が変わった瞬間」
だったのです。
通常は4~5日かかる、高さ900mの垂直の壁を、わずか3時間56分で登りきってしまいました。
映画「フリーソロ」は、その挑戦の様子を記録したドキュメント映画です。
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah9.jpg)
公式HPより引用
彼のクライミングはフリーソロだけではない
彼は、フリーソロだけを専門で行っているクライマーではありません。
中でも有名なのが、パタゴニアのフィッツロイ山群をすべて連続で登る、
「フィッツロイ・トラバース」
を、パートナーのトミー・コールドウェルと世界初成功し、ピオレドール賞(登山界のアカデミー賞)を受賞しています。
慈善事業に力を入れる理由を語る
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah1.jpg)
公式HPより引用
彼は、今でもクライミングで挑戦を続ける一方、スポンサーなどからの収入を、環境対策の慈善事業へ使っています。
彼は、
- 世界の環境が悪くなるとクライミングできないから
- 少しでもいいことをしていると思うと、クライミングのモチベーションが上がるから
と、言います。
「誰かのためじゃなく、自分のためにやっている」
と断言するあたり、ユニークな人ですね。
【医学研究】彼は「恐怖」を感じないのか?
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah5.jpg)
公式HPより引用
彼が、あまりに恐れを知らない挑戦を成功させるので、医学界が彼を研究したことがありました。
脳波などを検査した結果、
彼の脳は恐怖を感じていない
と発表しました。
しかし彼は、
「恐怖は感じるけど、それを練習と準備によって克服している」
と言います。
もともと彼は、
「誰かと一緒に登るのに声をかけるのが怖くて、1人で登るようになった」
というくらい小心者だったと言いますから、彼の言うことに分がありそうです。
エル・キャピタンとは?
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah11.jpg)
公式HPより引用
では、「フリーソロ界の月面着陸」エルキャピタン・フリーソロについて詳しく紹介します。
900mの垂直の壁
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah14.jpg)
公式HPより引用
垂直に伸びる900mもの壁は、クライミング界の代表的なビッグウォールの1つです。
エンパイヤステートビルを2回、命綱なしで登るようなものですね。
アレックス・オノルドは4時間を切った
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah2.jpg)
公式HPより引用
フリーソロで登ること自体すごいのに、彼は3時間56分で登ってしまいました。
フリーソロはルート工作などしないので、時間はかからない登り方です。
そのぶん慎重に動くから、時間はかかりそうなものですが。
それにしても・・・すごいですね。
映画「フリーソロ」について
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah010.jpg)
公式HPより引用
この挑戦の様子を、映像として記録したドキュメント映画が、2019年秋に公開される「フリーソロ」です。
撮影はあの「MERU」のスタッフ
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah15.jpg)
公式HPより引用
監督をはじめ、撮影スタッフは、映画「MERU(メルー)」と同じです。
「MERU」を観た方ならおわかりでしょうが、山岳映像を撮るということに関して、世界最高峰でしょう。
そもそも彼ら自体がトップクライマーなので、ふつうのカメラマンでは不可能な映像を撮れるのです。
映像に期待するべし
![](https://nebukurou.com/wp-content/uploads/2019/06/ah13.jpg)
公式HPより引用
また、クライミングのことを理解しているからこそ、
「どこを、どういう風に撮影するべきか」
が解るそうです。
「この難所は手の動きを中心に。あそこは足先にスポットを」
という具合です。
はたして、どんな映像を観せてくれるのでしょう?
また、フリーソロとはどんな世界なのでしょう?
この予告編観ただけで、体がゾワゾワと寒気がします。
こんなことできるのは、アレックス・オノルドと、映画の中のトム・クルーズだけですね。
公開が楽しみです。
映画情報詳細
日本では、2019年秋に全国公開されます。(公開終了)
監督/製作:エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ、ジミー・チン
出演:アレックス・オノルド
撮影監督: ジミー・チン、クレア・ポプキン、マイキー・シェイファー
音楽:マルコ・ベルトラミ
主題歌「Gravity(原題)」:ティム・マッグロウ
2018年/アメリカ/100分/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
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この映画の撮影スタッフが前回撮影したクライミング映画「MERU」は観ましたか?
このスタッフがどれだけ優秀か、どれだけすごいクライマーなのかわかります。
アレックス・オノルドがどんなクライマーなのか、これを読んでから映画にのぞまれてはいかがでしょう?
そして、アレックス・オノルド自身が、これまでのクライミングの詳細を書いた自伝(共著者あり)がこれです。
山野井泰史さんもそうですが、優れたクライマーの自伝は素晴らしいものが多いです。
実際に観た感想はこちら
実際に映画を観て感じたことを、まとめてみました。
これから観ようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。