こんにちは、寝袋!です。
「そろそろ山でテントを使ってみたいけど、どんなものを買えばいいの?」
「初心者でも簡単に立てられるか不安」
「どうせ買うなら、長く使えるものが欲しい」
と考えているあなた、その気持ち、よーくわかります。
とくに最近は、テントの形状もさまざまで、経験者でも選びづらくなっています。
そこで、
初心者でも使いやすく、しかもずっと長く使えるテントの選び方を知ってください。
いいテントと出会うと、山へ行くのが待ち遠しくなります。
目次
登山用テントはどこが違う?
テントは、平地でのキャンプ用と登山用では、見た目はあまり変わりません。
しかし、機能的には全然違うものです。
頑丈
強風が吹き荒れる山岳で使うために、登山用テントはとても頑丈に作られています。
もし、キャンプ用のテントを山で使ったら、どうなるでしょうか?
天気が良くて風も弱ければ、問題なく朝を迎えられるでしょう。
ところが悪条件だと、あっという間に危機にさらされてしまうんです。
軽量&コンパクト
車やバイクに積載して運ぶキャンプ用と違って、登山用テントは小さくて軽量です。
なにしろ、ザックの中に入れて、自分自身の力で、しかも長い距離を運んでいかなくてはいけませんから。
強度を保ちながら軽量
なところが、登山用テントのすごいところです。
ぜいたくな材料を使う ⇒ バカ高い
というのが困ったところです。
(オプション使えば)季節を選ばない
最初のうちは使うことはないですが、オプションを組み合わせることによって、雪山でも使えるようになります。
テント各部の名称
テントの選び方を説明していく前に、まずはテント各部の名称を説明します。
細かい部分の名前はいずれ覚えることにして、ここでは、大まかな構造に関わる名称だけをピックアップしました。
一般的なダブルウォールという、2重の壁をもつテントを例にして説明します。
上の白いものが、インナーテントと呼ばれるものです。
このインナーテントに、(下の写真では黄色の)フライシートというものをかぶせて、下のようなテントになります。
インナーテント | 居住空間を作る。中の水蒸気を逃がすように、通気性のよい材質またはメッシュ。 |
フライシート | 風や雨を防ぐ、外側の壁。防水性素材で作られる。 |
ポール | インナーテントを居住空間の形にする。家で言えば柱。 |
出入り口 | 人が出入りするところ。長辺にあるもの、短辺にあるものに分かれる。 |
ベンチレーター | インナーテントの通気性を確保しつつ、外からの風雨雪を防ぐ作り。 |
ペグ | テント全体を地面に固定するために、地面に打ち込む杭。 |
前室 | インナーテントとフライシートの間に出来る空間。雨の日の調理、靴置き場など。 |
テントの分類
登山用テントは、その特徴でいくつかに分類されます。
そこで、以下の2つの違いを説明します。
これらを理解すれば、初めて買うべきテントが理解できるようになります。
自立型と非自立型
まず、自立型と非自立型との違いを見てみましょう。
自立型とは、ペグダウン(ペグで地面に固定すること)しなくても、テントの形をしているものです。
テントを作ってから、持ち上げて場所を移動することもできます。
非自立型とは、ペグダウンして初めて、テントとしての形が完成するものです。
どちらにも長所短所はありますが、
初めて買うテントは、絶対に自立型にするべし。
非自立型は、設営にコツがいりますし、失敗すると倒壊する恐れがあります。
自立型は、ポールが折れたりテントが破れないかぎり、倒壊の恐れはありません。
シングルウォールとダブルウォール
次は、シングルウォールとダブルウォールとの違いを見てみます。
言葉通りの意味で、
壁が1枚か2枚か
の違いです。
まず、ダブルウォールを説明します。
最初の各部の名称で説明した通り、インナーテントの上から、フライシートをかぶせた形のものです。
「壁が2枚」ですね。
シングルウォールは、フライシートがありません。
形としてはインナーテントだけのようなもので、「1枚の壁」で防水性と通気性を確保するために、ゴアテックスのような素材で出来ています。
軽量で設営が簡単のが特徴ですが、どうしても結露しやすく、うまく使うにはコツが必要です。
シングルウォールとダブルウォールの比較
長所 | 短所 | |
シングル | 軽量。設営がラク。 | 結露との戦い。前室がないので出入りで雨が入る。 |
ダブル | 結露しにくい。使いやすさ。 | 比較的重い。 |
その他
テントは多様化してきているので、他にもいろいろな違いがあります。
たとえば、
- インナーテントがメッシュで出来たもの
- 床がないもの
- ポール代わりにストックを使うもの
などです。
決して難しいものではないのですが、経験やコツが必要です。
最初に買うべきテントではありません。
テント泊になれて、その上で、追加で買うべきものです。
初心者が最初に買うべきテントは?
以上を踏まえた上で、初心者が最初に買うべきテントを、お教えしましょう。
絶対にダブルウォール
最近は装備の軽量化が進んでいるので、シングルウォールとダブルウォールで、重量差が少なくなっています。
例えばモンベルの同じ大きさのテントで比べると、
- ステラリッジ2型(ダブルウォール)・・・1.43kg
- マイティドーム2型(シングルウォール)・・・1.41kg
誤差みたいなものですね。
なぜなら、フライシートがない分、強度を上げるために各部の堅牢性を上げるためなのです。
そうなると、シングルウォールの利点は、設営の簡単さだけということになります。
それと引き換えに、結露との戦いや前室のない不便さが加わるのでは、割に合いません。
絶対にダブルウォールにしましょう。
絶対に自立型
勘違いしてほしくないのですが、非自立型だからといって、弱いわけではありません。
実際、私は両方使っていますが、強度的にどちらが上とは思いません。
ただ、どんな場所でも簡単に設営できるという1点で、自立型が優れています。
非自立型は、設営に必要な広さが分かりづらいですし、失敗しても移動できません。
ペグが抜けると倒壊します。
軽量ですし、広い空間を持つものが多く、ファンとして本当はオススメしたいのですが、最初に手を出すべきテントではありません。
自立型を選びましょう。
大きさはどうする?
「私はソロで行くから、1人用だね」
というのは、ちょっと待ってください。
1人用でも問題はないのですが、一つ上のサイズも検討してみましょう。
テントにもよりますが、1人用というのは、1人が寝て、ザックを置くとギリギリです。
荷物を広げるスペース、調理をするスペースが限られるのです。
じつは、ソロでも2人用を使う場合も多いのです。
なぜなら、またもやモンベルのステラリッジで見てみますと、
- ステラリッジ1・・・1.34kg
- ステラリッジ2・・・1.43kg
- ステラリッジ3・・・1.75kg
となっています。数字は◯人用を意味します。
どうでしょうか? 1人用と2人用では、ほとんど変わりません。
もちろん、約100gという差を、大きいと考えるか、小さいと考えるかは、それぞれです。
しかし、ソロでもあえて2人用を使うと、居住空間に余裕がありますし、いざという時に2人で寝れます。
最後に
テントの基本的な構造から、テントの選び方のポイントを説明してきました。
テントの種類はたくさんありますが、じつは、初めて買うべきテントというのは、基本中の基本の形です。
各ブランドで「基本モデル」というのは決まってるのです。
「もっと軽く」
「もっと涼しく」
「もっと広く」
など、ほんの少しだけ特徴を変えたバリエーションが、多いのです。
基本的なテントは車に例えると、標準的な機能を備えた、安心のファミリーカーのようなものです。
そのファミリーカーは、夏でも冬でも、日本全国どこへでも走ってくれます。
もっとパワーが欲しかったり、4輪駆動だったり、かっこよかったり、そういう車は、
あなたがどういうものが欲しいかわかってから
買うべきです。
基本的なテントは、最初に買うべきもので、しかも、どこへ行っても力不足はありません。
いつか違うテントが必要になっても、併用してずっと使えるものです。
ですから私は、
ダブルウォールで自立型の、基本通りのテント
をオススメします。
あなたがテント泊登山への一歩を踏み出す、参考になれば嬉しいです。
山の上でテントで泊まることは、登山の楽しみを何倍にも広げてくれます。
そして、行ける山も一気に多くなります。
きっとあなたも、テント泊登山の、とりこになることでしょう。
各ブランドのおすすめモデル
参考までに、主だった各ブランドの「山岳用基本テント」を一覧にしておきます。
どれもたくさんの人に、長く、改良を重ねながら使われてきたモデルばかりです。
ブランド | テント名 | ひとこと |
モンベル | ステラリッジ | 超定番。軽量。かぶりまくるのがマイナス。 |
アライテント | エアライズ | これも超定番。 |
ヘリテイジ | エスパース | 歴史あるブランドだけど意欲的なモデルも。 |
ニーモ | タニ | 軽量モデルが得意なブランド。近年人気。 |
日本の登山界には、ずっと不動の超定番テントがあります。
モンベルのステラリッジと、アライテントのエアライズです。
最大の欠点は、「テント場に同じテントが多いこと」でしょうか。
それだけ定評ある証拠と言えるでしょう。
その問題も、最近はフライシートの色のバリエーションなどで、解消されつつありますが・・・。
性能的には問題なくても、ついつい人と違うモデルを探してしまうのも、ユーザー心理の1つ。
ただ、やはり定番モデルはなんといっても安心安全です。
基本モデルを使い込むことによって、いいところも悪いところもわかってから、個性派に手を出すのがいいと思います。
1.34kgの軽量テントです。
以前は同じステラリッジ1でも、2kg近くありました。
ほんとうに軽くなりました。
フライシートは4色あって、別売りになっていて選べます。
めちゃくちゃ数が多くて被りやすいのが欠点!
1.36kgと、ステラリッジとほぼ同等の軽量テントです。
どちらも甲乙つけがたい、素晴らしいテントです。
ニーモで大人気のタニシリーズ。