こんにちは、寝袋!です。
私は山小屋やテント場の、すべてを知っているわけではありませんが、
「こんな素晴らしいロケーション、日本で3本の指に入る」
と思っているのが、北アルプス剱岳の裏側にある「池ノ平小屋(およびテント場)」です。
たぶん多くの人は、
「裏剱といえば、仙人池素晴らしいよね~」
と思い出すはずです。
仙人池ヒュッテはもちろん素晴らしいのは間違いないのですが、そのすぐ近くにある池ノ平は、案外知られていません。
というのも、縦走ルートからは少し外れるからです。が、
ずばり、あの仙人池より景観は素晴らしいと言っていいでしょう。
あのルートを通って、池ノ平を訪れないのは、とってももったいない!
くわしーくご紹介しますので、
「近くに行ったら今度は絶対に寄ってみよう!」
と思っていただきたい!
ちなみに私は池ノ平の1人のファンで、無関係の人間ですのでご安心ください(笑)
目次
裏剱は仙人池だけじゃない!
池ノ平小屋は、仙人池ヒュッテに比べると有名ではありません。
剱岳から黒部水平歩道へつながる人気の縦走路、ざっと、歩く人の8割(不正確)は仙人池ヒュッテに荷物を下ろすのではないでしょうか?
小屋の前に広がる仙人池から眺める裏剱(剱岳を裏側から観た光景)は素晴らしく、条件が揃えば池に映る剱岳は見事です。
「裏剱へ行く」イコール「仙人池に泊まる」と連想する人が多いでしょう。
でも、その近くにある池ノ平小屋の周辺には、さらに素晴らしい絶景があるのです。
小屋の設備や立地条件、山小屋を評価するポイントはいろいろあるのでしょうが、
「景観やロケーションは間違いなく池ノ平に軍配を上げたい!」
両方を知る人はそう言うのではないでしょうか。
ではどうして池ノ平小屋のほうがマイナーなのか?
どういうところが良くて、どういうところが悪いのか?
私が知る限りの情報をお伝えします。
私は両方の山小屋に泊まりますし、両方とも好きです。
お世話になっています。
「どちらがオススメ」という話ではないことは、読んでいただければわかると思います。
池ノ平小屋について
まずはかんたんに、池ノ平小屋のことを説明します。
池ノ平小屋の読み方
池ノ平小屋は、「いけのだいらこや」と呼びます。
日本には「池ノ平」や「池の平」、「いけのだいら」や「いけのたいら」、けっこうあります。
池ノ平小屋のアクセス
池ノ平小屋は、剱岳方面(剣沢、真砂沢、黒部ダム)と、黒部水平歩道(阿曽原温泉小屋、欅平)を結ぶ、人気の縦走路にあります。
また、バリエーションルートを楽しむ人にとっては、池平山を経由して剱岳北方稜線を登る出発点ともなります。
縦走路からは外れてるから・・・
仙人池ヒュッテに比べて池ノ平小屋がマイナーなのは、ずばり、
縦走路の途中にない・20分ほど外れたところにある
ということに尽きます。
マイナーマイナーと言ってますが、それはあくまでも一般登山者の間ではということで、アルピニズムあふれる人や、テント利用者にとってはこちらがメジャーですけどね。
池ノ平小屋の水場
池の平小屋の前に、水が引かれています。
ちなみに仙人池ヒュッテも池の平小屋も、じつはお風呂がある小屋です。
水が豊富なんですね。
池ノ平おすすめポイント
池ノ平小屋のおすすめをご紹介します。
小屋から楽園に降りていく
池ノ平小屋の前からは、ジグザグな下り口があります。
眼下に、険しい山々に囲まれるようにして平らな台地が広がっているのが見えるでしょう。
いくつかの池が点在して、木道が周囲を囲んでいます。
そこが、平の池(たいらのいけ、ややこしいですね)と呼ばれるところで、まさに楽園といった趣です。
静かです
仙人池ヒュッテに比べると、池ノ平小屋は物静かです。
ちょっと語弊があるかもしれませんが、仙人池に人が多く、時にはツアーなどの団体がいるのに比べ、こちらにはまずいません。
ソロや少人数で山に向き合う人たちが多いので、自然と静かでそれぞれの世界に入っています。
当然北方稜線への拠点にも
池ノ平小屋は剱岳のバリエーションルートの1つ、北方稜線の入り口になります。
新しい小屋番さん
近年、新しい小屋番さんにかわり、ホームページも新しくなりました。
これからは、もっと人の目に触れるようになってくるのかな?
私としては勝手に期待したいところです。
テント場があるのは池ノ平だけ
そうそう、池ノ平小屋と仙人池ヒュッテの大きな違いは、テント場です。
残念ながら、仙人池にはテント場がありません。
また、近くには他にテントを張れる場所もありません。
テント泊をしたい人にとっては、池ノ平が唯一の選択肢になります。
ちなみに今は小屋の奥にテント場がありますが、昔は平の池のほとりにテント場があったそうです。以前の小屋番さんに教えていただきました。いいなあ、テント張りたいなあ・・・
裏剱を眺めるのが仙人池・観察できるのが池ノ平
テントを張りたいなら池ノ平。
縦走路にあって行きやすいのは仙人池。
にぎやかな仙人池、静かな池ノ平。
食事や寝床などは評価を差し控えます。
どちらも私は大好きですし、どちらに泊まろうか迷ってしまうのが本当の気持ち。
ただ、景観の1点に絞って両方を表現するなら、
「裏剱を眺めるのが仙人池なら、裏剱を観察するのが池ノ平」
と私は思います。
近いとはいえ、見え方がけっこう違いますからね。
仙人池ばかりが有名で、池ノ平もオススメしたくて書いてきました。
みなさん、縦走計画を立てるときには、泊まらなくてもちょっと寄ってみるとか考えてみてください。
裏剱へ行って池ノ平行かないなんて、槍ヶ岳へ行って大槍に登らずに帰るようなものです。