こんにちは、寝袋!です。
登山を初めると、いろいろと知らない言葉が耳に入ってきます。
登山に着ていく物を、これから買おうと言うときに、耳にする言葉が、
「登山ウェアは、レイヤリングが大切!」
でしょう。
レイヤリングってなに?
どうすればいいの?
なんのために?
レイヤリングの、基本中の基本から説明したいと思います。
目次
レイヤリングとは?
レイヤリングとは「重ね着」のことです。
単純にウェアを重ねていくだけでは、意味がありません。
役割を与えたレイヤー(層)を形成して、環境の変化や行動負荷の変化に、対応させるシステムです。
レイヤリングはなんのために?
ひとことで言えば、
「登山者の体を快適に保つ」
ために、レイヤリングは便利です。
登山では、
- 山頂と麓との標高の変化
- 天候の大きな変化
- 運動量(登り、歩き、休憩)の変化
という、非日常の環境におかれます。
それらの環境の変化に対しても、常に快適さを保たなければいけません。
- 汗と水蒸気を吸い上げて、生地表面ですばやく乾燥させる。
- 雨の侵入を防ぐ。
- 風を防ぐ。
という、難しいミッションを、登山ウェアは成し遂げなければいけないのです。
最終目的は、
体をドライに保つ!
ことです。
なぜ濡れてはいけないのか
体をドライに保つのは、どうしてでしょうか?
熱は、水分で濡れたものは素早く伝わってしまうのです。(熱伝導率)
なんと、水は空気の30倍、熱が伝わりやすいのです。
濡れていると、体がどんどん冷えていってしまい、動けなくなっていきます。
遭難でよくあるパターンなのです。
レイヤリングの構成
レイヤリングには、それぞれのレイヤー(層)に名前が付いています。
体に接するものが、ベースレイヤー。
その上に着るものが、ミドルレイヤー。
一番外が、アウターレイヤーです。
それぞれ、下の図のような役割で作られています。
外気 | ||
アウターレイヤー | 雨、風、雪を防ぎつつ、水蒸気は放出する | ウインドブレーカー、レインウェアなど |
ミドルレイヤー | 保温性を保ちながら、水蒸気は放出する | 登山シャツ、フリースなど |
ベースレイヤー | 汗を吸い取り、水蒸気にする | 下着、Tシャツなど |
皮膚 |
ベースレイヤー
ベースレイヤーは、体に一番近いウェアです。
体から発散される汗を吸い取り、拡散させなければいけません。
「外から見えない下着なのに、こんなにお金掛けたくないよ!」
と思うほど、ベースレイヤーは割高に感じるかもしれません。
でも、経験を積むにしたがって、一番大切だとわかっていくものなんですよ。
ミドルレイヤー
会社でも大変だと言われる、中間管理職。
ミドルレイヤーは「登山ウェアの中間管理職」求められる機能が多いです。
- 温度を調節する
- ベースレイヤーから来る水蒸気を発散する
- ベースレイヤーで吸い取りきれない汗、外から侵入してきた雨を吸い取る
- 水分を拡散させる
上と下の間に立ち、両者のミスをカバーしなければいけません。
たいへんですね。
アウターレイヤー
外からの風、雨、雪を防ぐ、防水防風性能は不可欠!
さらに、内部からどんどん出てくる水蒸気を、外に出さなくてはいけません。
「ゴアテックス」という素材を聞いたことがありますか?
水は通さないのに、水蒸気は通す、素晴らしい素材です。
アウターレイヤーは、ゴアテックスや類似の素材で作られています。
日常で使う雨ガッパは、雨は防ぐけど中はムレムレですよね。
それでは登山では使えないのです。
【オプション】サーマルレイヤー
サーマルレイヤーは、休憩やテント場などの運動していない時に、上から着る保温着のことです。
これはとにかく保温するのが目的で、ダウンウェアなどがこれにあたります。
登山者に人気のパタゴニアのマイクロパフ。
ダウン並の保温性なのに濡れても大丈夫なスゴイやつ。
写真をクリックすると、公式サイトで詳細なレビューがみれます。
防風性と耐水性を備えた、温かいジャケット
【オプション】ドライレイヤー
最近では、ベースレイヤーと体の間に、もう一枚薄いウェアを挟むことがあります。
それが、ドライレイヤーと呼ばれるものです。
かんたんに説明すると、ベースレイヤーの機能を、さらに強化するためのものです。
逆に言えば、ベースレイヤーの機能が、いかに大切かわかりますね。
最後に
今回は、登山ウェアの基本中の基本、
レイヤリング
について説明してきました。
登山経験を重ねてくると、自然に身についてくるものです。
「これじゃ、ちょっと暑すぎるな」
「このシャツは、蒸れてだめ!」
など、わかってくるでしょう。
季節や気温によって、山のハードさによって、いろいろと工夫もしていくことになります。
「最初からベストなレイヤリングは出来ない」ものと考えて、
- 手頃な価格のものを準備して、
- 山に登ってみて、
- 自分なりの答えを見つけて
ください。
まずは、優れたベースレイヤーから準備してください。
その上に積み重ねるように、レイヤリングを作っていってください。